アトリエmadoの対話による鑑賞会
「よ〜く観よう。いっぱい話そう」の第2回目です。
9月23日 足利市立美術館で開催されていた「江戸はようこそ!浮世絵に描かれた子どもたち」を鑑賞しました
この「対話による鑑賞法」というのは、グループにわかれて、まずじっくり作品を観ます。
そして、感じたこと、気づいたことなどを、ファシリーテータという、司会進行役と一緒にお話しながら
理解を深める方法で、NY近代美術館で、開発されたといわれてます。
ファシリテータは、私も研修した、ARDA(芸術資源開発機構)の対話型鑑賞研修会、おしゃべりゴッホの強力メンバー。
今日も東京、神奈川から手弁当で開館と同時に来て下さいました。
参加者は16人の子どもたちと保護者の方々。
まずは簡単な説明と自己紹介
その後は浮世絵の中から、妖怪がずらりと並んだものをカードにして
各グループでゲーム。
強そうなものを並べたり、似たものを選んだり、大人グループは私がなるとしたら。。。と言う内容で盛り上がり、笑いも。
緊張がほぐれたところで展示室へ。
数分間じっくり、だまってよ〜〜く作品を観ます。
それから、気づいたことを話し合います。
浮世絵の中に複数のおとぎ話が隠されいる作品。
子どもたちが気がつくかしら?昔話を知っているかしら?と心配をしていましたが、
すぐに気がついて、ここのうさぎとここの狸はかちかち山じゃない?
あ、したきり雀?。桃太郎もいるよ。
「花咲かじいさんの灰は犬を燃やした灰だっけ?」
「ちがうよ、犬が死んじゃって埋めたところにこの松の木が生えて・・・」
「そうそう、その木を悪いじいさんに倒されたんだよね?」
お互いストーリーを補い合ったり、「あんなところに鬼がいる!」後ろのほうで静かに観ていた子が発見!
「わー!ほんとだ、鬼ヶ島かな?」
「たこ揚げしてる」
「お正月かな?」「なんで、お正月と思うの?」
「獅子舞がいるし、たこ揚げしてるから」
「踊ってる人がいる。」
「この偉い人、笑ってる。」
「この踊ってる人もしかして、よっぱらってるのかな?」
「それでこの偉い人は、笑いを我慢してるみたいな顔なんだ」
「どこから、偉い人ってわかった?」
「着てるものとか」「ほんと、他の人と違うね」
・・・・・
そんな風にしてとことん細かく観察して話して、聞いて、また考えて。
大人のグループもかなり鑑賞が深まってるようで作品の前にいる時間が結構長い。。。
ホールにもどって、今日観た作品について書いて貼る。
一人で、さらりと観るだけでは気がつかないことがいっぱいわかって楽しかったということばを聞いてほっとする。
最後に今日の作品はすべて、版画という手法で作られたこと、
版画について少し説明してもう一度観ていない作品を観て下さいと締めくくる。
終わってから書き込まれた文をもう一度読み返すファシリテータ。
皆さんが書いてくれた今日の成果を手にファシリテータと学芸員さんの集合写真。
男の子と、おかあさん、別々のグループで観ていたけれど
終わってから一緒に一つの絵を観ながらたくさん語り合ってる後ろ姿をみて
ほんとにうれしくなりました。
ほっとする間もなく、今日の反省。
よかったところ、あそこはこうすればよかったんじゃない?
忌憚ないことばのおかげさまで今日もたくさんの学びをいただける。
ああ、本当にありがたい。。。
反省の続きはその後の美味しい打ち上げの場でも続きました。
次は館林美術館にて開催中の舟越桂氏の作品に挑戦です。