大変おそくなりましたが(^^)
足利美術館でのブラティスラヴァ世界絵本原画展の
対話による鑑賞会「よーく観よう。いっぱい話そう。」の報告です。
この「対話型鑑賞法」というのは、グループにわかれて、まずじっくり絵を観ます。
そして、感じたこと、気づいたことなどを、ファシリーテータという、司会進行役と一緒にお話しながら
理解を深める方法で、NY近代美術館で、開発されたといわれてます。
ファシリテータは、私も研修した、ARDA(芸術資源開発機構)の対話型鑑賞研修会、おしゃべりゴッホの強力メンバー。
当日、子ども、保護者あわせて40人をこえる参加者があつまりました。
ホールで、グランプリ作品の「大洪水」100cmのコピーをそれぞれの年齢層ごとにグループで鑑賞。
鉛筆で描かれた細かい描写にいろんな発言がでます。
実際出版された絵本をみなさんにお見せしていざ、展示室へ
ホールで観たコピーの絵とも、絵本とも違う。
原画の迫力。
あ、こんなところに雲が。
薄い線がいっぱい見える。
じっくり、ゆっくり、顔をぐっと近づけて観る。
そうしていよいよ、グループに分かれ、それぞれの年齢にあった作品を「対話」しながら鑑賞します。
話しながら観ることに慣れてきた子どもたちは、じっくり観る時間を与えられたあと、活発に発言が。
「私は****と思う。」
「ありがとう、なるほどね。****と思ったのは、どこからそう思ったの?」
ファシリーテータは、丁寧に言葉を受け取り、
ほかの人にわかりやすいように、
また、その子の考えがより、はっきりと、深くなるように導いていく。
他の子はそれを聞いて、「わかった。僕はこう思う!」
新しいみかたが生まれてくる。
鑑賞を終えて、ホールにもどり、気に入った絵について書く。
絵にしてもOK.
絵が描きたくなった子が結構いた、やっぱり刺激を受けるのかしら。
保護者のチームの絵のまわりの言葉を拾ってみると・・・
*人は必ず永遠の眠りにつくが、そうしてもなおその人の生きてきた証が根っこのようになって
残された人の中に生き続けるような感じがしました。
*もう終わったことだからと思いながらも振り返る。
もう扉を閉じて封印していたことが、明るい日差しの追求を逃れられない。
そのまま このまま肉が溶けて骨も形を失っても想いはあり続ける
*最後に観た女性の心象風景を描いた絵に男の自分が想像以上に感情移入できるものだなと少し驚きました。
ほかの絵に対しても自分はすぐに基本感情移入や自分自身のことを投影しがちだなと、このイベントで発言してみて気づいてハッとしたりしました。
少し焦りました
*鳥ってひとをみおろしてる存在だったのかなと思います
などなど、もしかしたら、一人でさらっと観ただけでは気づかなかったことに気づいたり、考えていただけたのではと思いました。
みなさんの「感想」を持って集合写真。
ファシリテータのみなさん、細やかなサポートをして下さった学芸員さん。
おつかれさまでした〜!ありがとうございました。
息つく間もなく反省会。
そしておいしいうなぎ屋さんで一日の成果を分かち合う。
朝イチ電車で、東京や神奈川から駆けつけ、手弁当で、
できる限りのいい時間を作ろうとそれぞれに適した持ち場でフル活躍のメンバー。
平日もハードに働く方々が、こうして休日返上で来て下さる。
終電に間に合うように急ぎ足で、歩きながら聞いた言葉は
「楽しいからやっているの。種を蒔いている気がするから。」
。。。。!!!
絶対2回目もやりたい!こころに誓った次の対話型鑑賞会。。。
今月!開催します〜!
9月23日(水。祝)14時から
足利市立美術館にて、開催中の「江戸にようこそ!浮世絵に描かれた子どもたち」
5歳から小学生と、その保護者
参加費 1000円 保護者は当日観覧券のみ
申し込みは足利市立美術館に電話(0284−43−3131)
先着30名
先着順なのでお早めにお申し込みお願いいたします
美術館のブログでもくわしく5月の鑑賞会のことがご覧いただけます