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ひとりよがりのものさし

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ひとりよがりのものさし  坂田和實

「古道具坂田」主人の

審美眼によって選ばれた古今東西のものたち

この本を初めて手にしたとき、美しい装丁にはっとし、

へえ~、こんなものが、こんなにきれいなんだっとびっくりした。

例えば、ぶどう棚の針金細工、粗大ごみのように打ち捨てられていた李朝の平瓦。

夜、独りになってちびりちびり、限定純米生原酒をやりながら

(家事はいったん放置)

再び本を開く。

写真をただ、ただ、眺める。

やわらかな心

これを、選んだ人はなんて、柔らかな心なんだ・・・

私がずーっと、幼いころ

ほんとにつまらないものを拾って

集めて

作って、大事に宝物にしていたころ

感じた、あの感覚。

一気によみがえってきた

一ページ、一ページ、撫でさすりながら

小島あっこちゃんが持っていた赤いチェックの水筒がうらやましかったこと

拾ったビンに、いろんな、ものを詰めて「毒薬」を作ったこと

すべりだいの下にむしってきたクローバーを大量に敷き詰めて寝転んだ事

針金と何かで、小鳥を作って、ベットにとまらせていたこと

さびた釘が、こびとに見えたこと

焼却炉に捨てられて、ちりちりになっていくぬいぐるみ。

クレゾールの匂い、じんちょうげの匂い

ちらしの裏に大量に描いたおひめさまの絵

ニットのハイウエストのねずみ色のプリーツスカート

小花模様のワンピース。

ちくちくするチェックのズボン

・・・

ずっと忘れていた事が

次からつぎから、思い出されキリがない

静かな

やわらかく、自由な心でいれば

美しいのものは、うつくしく、そこにあることに気づけるのかもしれない

そんな心でいたい。

日常を暮らしつつ

やばっ、家事放置。。。